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定款の解説


定款とは?


定款とは、会社の根本規則のことです。
会社にとって大事なことが書かれています。

たとえば、
商号
目的
本店所在地
発行可能株式総数

などです



◆ サンプル ◆


定款のサンプルです。
タップで、ご覧いただけます。

定款のサンプル



◆ 条文 ◆


株式会社の定款については、
会社法に、条文があります。

会社法
内容
26
定款の作成

※ 発起人が定款を作成し、発起人全員の実印を押印
27
絶対的記載事項

定款に必ず記載する事項
たとえば、目的・商号・本店所在地など。
28
相対的記載事項

効力を生じさせるには記載が必要な事項
たとえば、現物出資。
29
任意的記載事項

記載しても、しなくてもどっちでも良い事項
たとえば、事業年度。
30
定款の認証

定款は、公証人の認証を受けることで、効力が生じる。
31
定款の備え置き・閲覧等

※ 定款は、本店・支店に備え置くこと。
株主・債権者など一定の者は、閲覧・謄写できる。
37
発行可能株式総数

※ 会社が発行できる株式数の限度
設立時に発行する株式数の5〜10倍にするのが無難。
(取締役会のない会社の場合)




◆ 絶対的記載事項 ◆


定款に、必ず記載しなければならない事項は、
次の通りです。
(会社法27条、37条)

絶対的記載事項
(必ず記載)
具体例
目的
飲食店の経営
商号
ABC株式会社
本店の所在地
神戸市
設立に際して出資される財産
の価額又はその最低額
100万円
発起人の氏名又は名称及び住所
田中一郎
兵庫県神戸市中央区下山手通10丁目9番8号
発行可能株式総数
1000株




◆ 相対的記載事項 ◆


定款へ記載しなくてもいいけれど、
効力を生じさせたければ
定款への記載が必要な事項
があります。
(会社法28条など)

たとえば、現物出資。
お金ではなく、パソコンを出資しようとする場合は、
出資者の氏名・財産の価額・割り当て株式数
を定款に記載しなければ、効力が生じません。

相対的記載事項
(効力を生じさせたければ記載)
具体例
現物出資
【出資者】 発起人田中一郎
【出資財産及びその価額】
パーソナルコンピューター(VAIO株式会社平成30年製,VGP-ABCD123,製造番号1234567
金20万円
【割り当てる株式数】 20株
株式の譲渡制限
当会社の発行する株式の譲渡による取得については、当会社の承認を受けなければならない
株主総会の招集通知
株主総会の招集通知は,当該株主総会で議決権を行使することができる株主に対し,会日の5日前までに発する。
役員の任期
取締役の任期は、選任後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。




◆ 任意的記載事項 ◆


定款に記載しても、しなくても
どっちでもいい事項
もあります。
例えば、事業年度。
定款に記載してもいいですし、
記載しなかったとしても、効力は生じます。

任意的記載事項
(記載しても、しなくてもよい)
具体例
事業年度
当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月末日までの年1期とする。
株主総会の招集時期
当会社の定時株主総会は,毎事業年度の終了後3か月以内に招集し,臨時株主総会は,必要がある場合に招集する。
役員の員数
当会社の取締役は、3名以内とする。




◆ 商号 ◆


第1条 当会社は,ABC株式会社と称する。


◆ 商号とは ◆


会社の名前の事です。
基本的には、
好きな名前をつければいいです。
(商号選定自由の原則)

でも、使える文字など制約もあります。


◆ 使える文字 ◆

使用できる文字
具体例
日本文字
漢字
ひらがな
カタカナ
長音符号『ー』
ローマ字
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
アラビヤ数字
0123456789
次の符号
&(アンパサンド)
’(アポストロフィー)
,(コンマ)
‐(ハイフン)
.(ピリオド)
・(中点)



◆ 同一商号・本店の禁止 ◆


他の会社と、同じ『商号』、かつ、同じ『本店』
となる登記はできません。

(商業登記法27条)

これは、同じ会社と誤解されることによる
混乱を防止するためのものです。


◆ 不正競争防止法など ◆


不正の目的をもって、
他の会社と誤認される商号を使用すると、
訴えられる
恐れがあります。
(会社法8条、不正競争防止法3条、4条)

特に、大企業の関連会社のような商号は、
注意してください。

ex. ソニー○○株式会社
 → 避けた方が良い



◆ 目的 ◆


第2条 当会社は,次の事業を営むことを目的とする。
家具の製造販売
雑貨の売買
前各号に附帯する一切の事業


◆ 目的とは? ◆


目的とは、会社の行う事業のことです。
会社の事業内容を簡潔に書きます。


◆ 複数の目的 ◆


1つだけでなく、複数書くことができます。

ex.(1)飲食店の経営
(2)雑貨の販売
(3)不動産の賃貸


◆ 将来の目的 ◆


現在行っている事業だけでなく、
将来行う予定の事業も書くことができます。
ただし、たくさん書きすぎると、
本業が何の会社か分からなくなるので、
本当に、近い将来行う予定のものだけ
書いた方がいです。



◆ 関連する事業 ◆


通常は、目的の最後に、
関連する事業も含む、書き方をします。

ex.(1)飲食店の経営
(2)前各号に付帯関連する一切の事業

こうすると、本業と関連する事業も
含まれることになります。
たとえば、カフェを経営していて、
ネット通販で、コーヒー豆や、
コーヒーカップも販売したいと思った場合、
これも含まれることになります。


もちろん、次のように明示しても良いです。
(こちらの方が、より好ましい、とは言えます。)

ex.(1)飲食店の経営
(2)食品及び雑貨の販売
(3)前各号に付帯関連する一切の事業


◆ 許認可が必要な事業 ◆


それと、許認可が必要な事業(ex.介護事業)は、
事前に、役所の担当者に確認した方がいいです。
使う文言が、決められている場合がるからです。

たとえば、横浜市で介護事業をする場合、
定款『目的』には、次のような文言を使うように、
指導されています。

訪問介護   → 介護保険法に基づく居宅サービス事業
居宅介護支援 → 介護保険法に基づく居宅介護支援事業
介護予防支援 → 介護保険法に基づく介護予防支援事業

※介護事業は、法改正が頻繁になされており、
今後、文言が変わることも十分あります。
よって、事前に必ず、役所の担当者の方に、確認してください。



◆ 本店の所在地 ◆


第3条 当会社は,本店を兵庫県神戸市に置く。



◆ 本店所在地とは? ◆


本店(本社)のある場所です。


◆ 最小行政区画 ◆


定款に記載する本店所在地は、
最小行政区画までで足り

〇丁目〇番地まで表示する必要はない、
とされています。
(大13.12.17民事1194号回答)


ここに、最小行政区画とは、次のようです。

○○県○○市
東京都○○区
○○県○○郡○○町
○○県○○郡○○村



また、定款の記載例は、
次のようになります。

ex. 当会社は、本店を兵庫県神戸市に置く。


このように、住所の前の方だけ書いておくと、
近くに引越したときに、
わざわざ定款変更をしなくてすむ
というメリット
があります。


◆ 定款と登記簿の比較 ◆


定款の本店は、最小行政区画まででOKですが、
登記簿は、最後まで書く必要があります。

両者を比較すると、次のようです。

本店の記載例
定款
(会社法27条3号)
兵庫県神戸市
登記簿
(会社法911条3項3号)
兵庫県神戸市中央区下山手通七丁目8番9号




◆ 公告の方法 ◆


第4条 当会社の公告は,官報に掲載してする。



◆ 公告とは? ◆


公告とは、法律で決められた事項を、
世間一般に知らせることです。


◆ 公告の義務 ◆


会社は、一定の事項について、公告することを、
法律で義務
付けられています。

例えば、株式会社は、
定時株主総会の終了後遅滞なく、
貸借対照表を公告しなければなりません。
(決算公告 会社法440条1項)


◆ 3つの方法 ◆


公告方法は、3つあります。
・官報
・日刊新聞紙
・電子公告
この中から、好きな方法を選びます。

公告方法
具体例
官報
日刊新聞紙
日本経済新聞
電子公告
自社のホームページ上


<官報>

官報とは、日本国の機関紙のことです。
インターネットでも、見ることができます。
インターネット版官報
昔ながらの方法です。
料金は、比較的安めです(数万円〜)。

<日刊新聞紙>

広告料が高い
(日経新聞で、数十万〜数百万円)ので、
通常は、選択支からはずれると思います。

<電子公告>

インターネットで、公告する方法です。
上場会社は、ほとんどこれです。
自社のHPを使うなら、掲載料はかかりません。
でも、原則として、調査会社に
調査費用(数万円〜)を支払う
必要があるので、注意が必要です。
(例外として、決算公告は調査不要)


以上の3つのうち、
どれにしたら良いか分からなければ、
官報にするのが、無難です。


◆ 電子公告 ◆


電子公告にする場合、定款には、
電子公告にする旨を記載すれば足り

具体的なURLまで記載する必要はありません。

ただし、登記簿には、
具体的なURLまで記載します。

電子公告の記載例
定款
(会社法939条1項)
当会社の公告方法は、電子公告とする。
登記簿
(会社法911条3項
27号、28号イ)
電子公告の方法により行う。
http://file-g.ivory.ne.jp/koukoku.html


◆ 貸借対照表の電磁的開示 ◆


公告方法を、官報日刊新聞紙
にしている場合でも、

決算公告のみ、自社のホームページなどで
することもできます。
(会社法440条3項)

これは、官報などへの掲載料がかからない
メリットがあります。

ただし、その旨の登記が必要になるので、
注意してください。
(会社法911条3項26号)



◆ 発行可能株式総数 ◆


第5条 当会社の発行可能株式総数は,1000株とする。



◆ 発行可能株式総数とは? ◆


発行可能株式総数とは、
会社が発行できる株式数です。


◆ 趣旨 ◆


なぜこれが必要かというと、
株式発行に歯止めをかけるためです。
無制限に株式を発行すると、
株価が下がって、株主が損害を被る。
それを防ぐためにあります。


◆ どのくらいの数が良いか? ◆


設立時に発行する株式の5〜10倍くらいに
しておくのが無難です。

ex. 設立時に発行する株式数 100株
発行可能株式総数 1,000株



◆ 株式の譲渡制限 ◆

第7条 当会社の株式を譲渡により取得するには,
当会社の承認を受けなければならない。


◆ 趣旨 ◆


これは、会社にとって好ましくない者が
株主になるのを防止
するのが目的です。
つまり、会社の株を買い占めた、
怖いお兄さんが、
いきなり会社にやってきたりしないように
するためのものです。


◆ 承認機関 ◆


株式譲渡の承認機関の書き方は
色々ありますが、
会社としておけば、無難です。
この場合、具体的な承認機関は
次のようになります。

取締役会のない会社 → 株主総会
取締役会のある会社 → 取締役会



◆ 株主総会の招集通知 ◆

第13条 株主総会を招集するには,会日より1週間前までに,議決権を行使することができる株主に対して招集通知を発するものとする。


◆ 原則 ◆


株主総会を開催する前に、
会社は株主に対して、
招集通知をしなければなりません。
それを、いつまでにすればよいのかを、
決めます。

非公開会社(譲渡制限あり)は、
1週間前が、原則です。
取締役会のない会社なら、
3日前などに短縮もできます。


◆ 例外(通知不要の場合) ◆


でも、何日にしたとしても、
株主全員の同意があれば、
今すぐ株主総会を開催
できます。
なぜなら、そもそも招集通知は、
株主に出席の機会を与えるため、
つまり、株主を保護するためのもの。
だとすれば、株主全員がOKと言うのなら、
何ら問題はないからです。



◆ 取締役の員数 ◆


第17条 当会社の取締役は1名以上とする。



取締役の人数を何名にするのか決めます。
会社法上は、次のように決められています。

取締役会のない会社 → 1名以上
取締役会のある会社 → 3名以上

なので、これをそのまま書けば、無難です。




◆ 取締役の任期 ◆


第19条 取締役の任期はその選任後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

◆ 原則 ◆


取締役の任期は、原則2年です。


◆ 例外 ◆


でも、非公開会社なら、
10年まで伸ばすことができます。


◆ 何年にすればよいか? ◆


任期が短め(ex.2年)の場合、
経営に緊張を保てるメリットがあります。
しかし、重任登記などの費用が高くつきます。

逆に、任期が長め(ex.10年)の場合、
登記費用が安く済むメリットがありますが、
容易に解任しにくくなります。


なので、決めかねるなら、
真ん中あたりの5年にすると、無難
です。



◆ 事業年度 ◆

第22条 当会社の事業年度は年1期とし,毎年4月1日から翌年3月31日までとする。


会社の事業年度を決めます。
通常は、一年間。
4月始まりが、最も多いです。
それ以外にしている会社さんもあります。
たとえば、
1月1日〜12月31日
 (キリンホールディングス)
3月1日〜翌年2月末日
 (J.フロントリテイリング)

でも、特にこだわりがなければ、
4月始まりが、無難だとは思います。



◆ 設立に際して出資される財産の最低額 ◆


第25条 当会社の設立に際して出資される財産の最低額は,金1000万円とする。



出資する財産の合計額を書きます。
発起人全員の分です。


たとえば、田中一郎さんが500万円、
法務花子さんが500万円出資して
株式会社を設立する場合は、
1,000万円です。



◆ 発起人 ◆


第27条 発起人の氏名,住所及び発起人が設立に際して引き受けた株式数は,次のとおりである。

兵庫県神戸市中央区下山手通10丁目9番8号 田中一郎 100株
大阪府大阪市北区中之島12丁目7番9号   法務花子 100株


発起人とは、会社の設立企画者のことです。
つまり、お金を出して、会社を作った人達。
その、氏名住所を書きます。

さらに、引受株数も書いておくと良いです。
なぜなら、公証役場へ
『実質的支配者となるべき者の申告書』
という書類を提出するのですが、
その実質的支配者該当性の根拠資料として、
定款を利用できるようになるからです。
(もし、ここに書いていなければ、別の資料が必要)




◆ 参考 ◆



定款等記載例(日本公証人連合会)


商業・法人登記の申請書様式(法務局)


『商業登記ハンドブック』松井信憲(商事法務)






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