戸籍謄本とは
◆ 戸籍謄本 ◆
戸籍謄本は、出生・結婚・死亡などの個人情報
が記載されている文書のことです。
たとえば、
いつ、生まれたのか、
誰と、結婚したのか、
いつ、死亡したのか
…などです。
◆ 謄本と抄本の違い ◆
戸籍謄本(とうほん)は、戸籍の全員が記載されます。
相続手続では、相続人が誰か調べるのに、
詳細な情報が必要なので、こちらを使います。
戸籍抄本(しょうほん)は、一部の人のみ記載されます。
資格の登録手続きなどでは、プライバシー保護のため、
こちらを使います。
種類
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記載される人
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サンプル
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戸籍謄本
(とうほん)
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全員
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戸籍抄本
(しょうほん)
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一部の人
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◆ どこで取得するか ◆
戸籍謄本は、本籍のある役所で取得できます。
例えば、本籍が、
『兵庫県
神戸市中央区下山手通八丁目9番地』の場合、
神戸市の役所で、取得できます。
神戸市以外の役所(ex.東京の役所)では、取得できません。
◆ 本籍が不明の場合 ◆
もし『本籍』が分からなかったら?
住民票を取得します。
注意点としては、住民票の交付請求書に
”本籍記載あり”
と記入すること。
そうすると、本籍と筆頭者が記載された
住民票を入手できます。
◆ 戸籍謄本交付請求書の書き方 ◆
戸籍は、本籍と筆頭者で区別します。
なので、戸籍謄本の交付請求書には、この2つを必ず書きます。
記入例は、次のようです。
(神戸市の場合。他の地域も、似た内容です。)
この記入例で、分かりにくい用語を、
以下で解説します。
◆ 本籍(ほんせき) ◆
本籍は、戸籍が置かれている場所の事です。
出生地が多いです。
でも、本籍は自由に決められるので、
実家や婚姻時の新居とかにしてる場合もあります。
◆ 筆頭者(ひっとうしゃ) ◆
筆頭者とは、戸籍の一番最初に記載されている人です。
父親が多いです。
婚姻の際、氏を変えなかった人がなります。
たとえ筆頭者が死亡したとしても、
その戸籍の筆頭者は変わりません。
なので、戸籍謄本を請求する時は、
死亡した筆頭者の名前を書きます。
◆ 除籍(じょせき) ◆
死亡や婚姻などにより、
その戸籍からいなくなることを除籍といいます。
全員が除籍されて、誰もいなくなると、
除籍謄本になります。
この記入例では、
除籍謄本を請求する場合、
『除籍』欄をチェックします。
◆ 原戸籍(げんこせき) ◆
原戸籍とは、昔の戸籍謄本のことです。
戸籍謄本は、これまで法改正により
何度も作り変えられました。
最新のものを、単に『戸籍謄本』。
昔のものを、『原戸籍』といい、区別します。
◆ 取得できる人 ◆
プライバシー保護のため、
戸籍謄本を取得できる人は限られています。
原則として、
戸籍に記載されている人、配偶者・直系尊属・直系卑属のみ。
第三者が、信用調査や興味本位で、取得することはできません。
(戸籍法10条1項)
例外として、『正当な理由』があれば、
第三者でも取得できます。
(戸籍法10条の2)
※ ただし、役所で、詳しい事情の説明や、
資料の提出を求められます。
取得できる人
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具体例
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戸籍に記載されている人
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本人
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配偶者
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夫・妻
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直系尊属
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父・母・祖父・祖母
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直系卑属
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子・孫
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『正当な理由』がある人
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遺産分割調停の申立のため、兄が弟の戸籍謄本を請求
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では、兄が、弟の戸籍謄本を取得できるか?
兄と弟が同じ戸籍に入っていれば、取得できます。
異なる戸籍なら、取得できないのが原則です。
例外として、『正当な理由』があれば、取得できます。
例えば、兄と弟が共同相続人で、
遺産分割調停の申立に必要な場合です。
◆ 取得方法 ◆
戸籍謄本の取得方法は、4つあります。
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補足説明
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役所に直接行く
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本籍地の役所が近くなら、
一番無難な方法。
※ 本籍地以外では、取得できないので
ご注意ください。
ex. 本籍地が神戸市の戸籍謄本は、
神戸市の役所でのみ取得できる。
東京の役所では、取得できません。
※ 請求書は、窓口にありますが、
本籍地役所のHPから
ダウンロードもできます。
戸籍謄本の請求(神戸市のHP)
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郵送請求
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本籍地の役所が遠い場合や、
忙しい場合に便利。
料金は、定額小為替で支払います。
郵便局で、購入します。
発行手数料は、1枚につき100円。
ex. 450円の定額小為替を2枚買うと、
発行手数料は、200円。
定額小為替(ゆうちょ銀行のHP)
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コンビニ
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電子申請
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自宅から申請できます。
ただし、地域によって、条件があり、
使いにくいのが現状です。
(ex.神戸市は、クレジットカードが必要。
さいたま市は、申請はネットでできるけど、
受取は役所に行く必要あり。)
電子申請(神戸市のHP)
一般的には、
マイナンバーカード、
ICカードリーダー、
が必要です。
また、取得できるのは、最新の1通のみ。
※ 相続用を全部集めることは、できません。
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◆ 戸籍謄本の料金 ◆
戸籍謄本の料金は、地域や取得方法により、異なります。
参考までに、神戸市は、次のようです。
書類
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料金
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戸籍謄本
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450円
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戸籍抄本
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450円
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改製原戸籍謄本
(かいせいげんこせきとうほん)
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750円
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除籍謄本
(じょせきとうほん)
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750円
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戸籍の附票
(こせきのふひょう)
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300円
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※ 神戸市は、コンビニで取得すると、150円割引。
※ 『改製原戸籍謄本』とは、昔の戸籍謄本のことです。
※ 『除籍謄本』とは、全員がいなくなった戸籍謄本のことです。
※ 『戸籍の附票』とは、住所の履歴の証明書です。
住民票は、1つ前までの住所しか分からないので、
もっとたくさんの履歴が欲しい場合に、利用します。
◆ 取得にかかる期間 ◆
最新の戸籍謄本(1通)を取得するには、
約1日〜1週間です。
窓口に行けば、即日交付してもらえます。
(書類に不備がない限り)
郵送請求の場合は、約1週間かかりますね。
相続手続きでは、
亡くなられた方の、出生〜死亡までの戸籍謄本が必要です。
死亡時の戸籍謄本からさかのぼって、
出生時までたどっていきます。
1通では足りず、何通も必要になります。
また、請求する役所も、通常は、複数か所です。
これは、約1週間〜1か月かかります。
◆ 昔の戸籍謄本 ◆
昔の戸籍謄本の特徴は、次のようです。
・手書きの旧字体
・孫・叔父叔母など、今よりも多数の人が、戸籍に入っている
・筆頭者ではなく、戸主を中心に作成
・家督相続が原因で、戸籍が改製(作り直し)されることがある
よって、現在の戸籍謄本よりも、読み取りが難しいです。
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戸籍謄本
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現在
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昔
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文字
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コンピュータ文字
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手書き
(旧字体)
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記載される人
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夫婦と
同氏の子のみ
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一族全員
(夫婦・子・孫・
祖父祖母
・叔父叔母など)
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中心人物
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筆頭者
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戸主
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家督相続
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なし
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あり
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難易度
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普通
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難しい
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戸籍謄本(とうほん)は、戸籍の全員が記載されます。
その見方を、初心者向けに解説。 |
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戸籍抄本(しょうほん)は、一部の人のみ記載されます。
その見方を、初心者向けに解説。 |
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相続関係説明図に、登記官の認証文言を付与したものです。信用性が高いので、この書類を提出すれば、戸籍謄本は提出せずに済みます。 |
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行政書士が、戸籍謄本の取得を代行します。
相続手続きなどでお困りの場合に、ご利用ください。
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