深夜酒類提供飲食店営業開始届
◆ 必要な場合 ◆
バー・居酒屋などの飲食店が、
深夜(0時〜6時)に、
お酒メインで営業する場合は、
『深夜における酒類提供飲食店営業の開始届』
が必要です。
(風営法33条)
◆ 届出する時期 ◆
開店予定日の10日前までに、
警察署へ届け出します。
※ なお、警察へ届出する前に、
保健所で、『飲食店営業許可』を
取得しておく必要があります。
(こちらは、約2週間かかります)
手続き
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役所
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日数
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飲食店営業許可
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保健所
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約2週間
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深夜酒類提供飲食店営業開始届
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警察署
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約10日
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◆ 警察署への納付金 ◆
『深夜酒類提供飲食店営業開始届』を
警察へ提出する際、
手数料は、必要ありません。
無料です。
<豆知識>
もし、『風俗営業許可』を取る場合は、
警察への手数料が必要です。
スナックやクラブなどは、
24,000円。
(兵庫県の場合)
◆ 届出が不要な場合 ◆
次のような営業スタイルの飲食店は、
『深夜酒類提供飲食店営業開始届』は、
不要です。
(1)深夜に営業しない
(2)お酒以外をメインに提供
◆ 深夜に営業しない ◆
たとえば、居酒屋のように、
お酒メインで提供していても、
深夜0時までにお店を閉めるなら、
届出は不要です。
(風営法33条1項参照)
◆ お酒以外がメイン ◆
ラーメン店・お好み焼き屋・ファミリーレストランなど、
お酒以外がメインの場合
(ex.ラーメン店は、ラーメンがメイン)は、
届出は不要です。
(風営法2条13項4号かっこ書き参照)
◆ 無届け ◆
『深夜酒類提供飲食店営業開始届』が必要なのに、
届出をしなかった場合、どうなるのか?
50万円以下の罰金になります。
(風営法54条6号、33条1項)
◆ 禁止地域 ◆
『深夜酒類提供飲食店営業』が
禁止される地域があります。
都市計画法上の用途が住居系の地域は、
原則ダメです。
都市計画法上の用途
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深夜酒類提供飲食店営業
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第1種低層住居専用地域
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禁止
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第2種低層住居専用地域
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第1種中高層住居専用地域
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第2種中高層住居専用地域
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田園住居地域
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第1種住居地域
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原則として、禁止。
ただし、例外あり。
(ex. 神戸市の国道2号線から30m以内は、OK)
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第2種住居地域
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準住居地域
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都市計画法上の用途は、
インターネットで調べることができます。
神戸市の場合は、以下のページから。
神戸市情報マップ(神戸市)
※ ただし、正確さには、やや欠けるので、
参考図としての利用になります。
正確なものが欲しい場合は、
役所に直接行って調べます。
例えば、当事務所は、
神戸市中央区下山手通2丁目
にあるのですが、
ここは、『商業地域』になっています。
住居系ではありません。
なので、『深夜酒類提供飲食店営業』は、
OKです。
◆ 営業所の構造・設備 ◆
『深夜酒類提供飲食店営業』をする場合、
お店の内部についても、規制があります。
犯罪・迷惑行為などを防止するため
の規制です。
店内の規制
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備考
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客室の床面積
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<客室が1室のみ>
規制なし
<客室が複数ある>
1室あたり、9.5平方メートル以上にすること
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客室の内部
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見通しを妨げる設備を設けない。
(ex.植木・カーテン・パーティションなどで、室内の見通しを妨げない)
※ 高さ1mを超えるものは、ダメと言われることが多いです。 |
設備
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善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けない。
(ex.女性の裸体のポスターを貼らない) |
客室の出入口
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個室にカギを付けないこと。
ただし、屋外に通じる出入り口は、カギ付きでもOK。 |
照度
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20ルクス以下にしない
※ 20ルクス以下になる照度調整器(スライダックス)は、撤去を求められることがあります。
※ 照度計。何ルクスか、測定できます。
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騒音・振動
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騒音・振動が、条例で定める数値未満になる構造
※ たとえば、神戸市三宮地区の深夜時間帯は、騒音50デシベル、振動55デシベル未満です(兵庫県 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例 6条)。
※ 普通の音量で、BGMとして音楽を流してるだけなら、特に問題はありません。カラオケを置いてると、警察のチェックが厳しくなります。 |
◆ 禁止行為 ◆
『深夜酒類提供飲食店営業』をする場合、
以下の行為が禁止されます。
近隣への迷惑防止や、
未成年者を保護するための規制です。
禁止される行為
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× 客引き |
× 客引きのため、道路で立ちふさがるなど |
× 午後10時〜午前6時に、18歳未満の者に、接客させること
※ 上記の時間帯は、高校生にウエイターやウエイトレスをさせることはできません。 |
× 午後10時〜午前6時に、18歳未満の者を、客として立ち入らせること
※ 上記の時間帯は、高校生をお客さんとして迎えることはできません。 |
× 20歳未満の者に、酒・たばこを提供すること
※ 19歳のお客さんに、酒やたばこを提供できません。 |
違反すると、
1年以下の懲役、または100万円以下の罰金
になります。
(風営法50条1項4号)
◆ 必要な書類 ◆
地域により、必要書類は異なります。
たとえば、
ビルのフロアマップが必要という所もあれば、
不要なところもあります。
でも、警察のHPでは、
どんな書類が必要か、
具体的に書かれていないことが多いです。
なので、警察へ電話したり訪問して
確認することが大切です。
必要書類
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備考
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届出書
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営業者の名前・住所、お店の名前・所在地などを書きます。
※ 住所などは、住民票・賃貸借契約書などと、一語一句同じに書きます。もし、一文字でも違うと、訂正を求められるので注意してください。警察は、保健所よりも、チェックが厳しいです。
※ 地域により、様式が異なります。
下は、兵庫県警が配布されているものです。
★ 記入例
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営業の方法
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営業時間や、どのような飲食物を提供するのかなど、お店の営業スタイルについて書きます。
※ 詳しめに書いた方が、警察の印象は良くなると思います。
<『酒類の提供』の記入例>
酒類は、カクテル・ビール・ワイン・焼酎・ウイスキーなど。客の求めに応じて、カウンターまたはテーブル席へ、従業員が配膳する。
※ 兵庫県の様式です。
★ 記入例
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お店の図面
※ 『平面図』は必須。
それ以外は、警察署により異なります。
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お店の平面図などを作成します。
※ どんな図面が必要かは、警察署により異なるので、確認が必要です。
※ 建築基準法上の図面(建築士さんが作った図面)は、そのままの形では利用できません。風営法用に、手直しが必要です。
(ex. 客室・調理室の面積は、壁芯ではなく、内法で計算)
※ 『飲食店営業許可』の図面(保健所へ提出した図面)よりも、寸法は、より正確に記入します。
(ex. メートル単位 ⇒ センチ単位で記入)
※ 通常は、CADソフトを利用して作成します。
★ Jw_cad (フリーソフト)
【営業所の平面図】
お店の出入口、椅子・テーブルの配置など、必要な事項を記載します。
【営業所の求積図】
お店の全体の面積を壁芯で計算します。
【客室・調理室・その他の求積図】
客室などの面積を求めます。内法で計算します(平成30年1月30日 警察庁通達)。
【照明・音響配置図】
照明は、ダウンライト・蛍光灯など。種類・ワット数・個数・配置場所などを記載します。
音響は、スピーカー・テレビ・カラオケなど。種類・個数・配置場所などを記載します。
【備品の図面】
イス・テーブルなどの、高さ・幅・奥行などを記載します。
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住民票
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※ 個人の場合
営業者の住民票
(本籍あり、マイナンバーなし、外国人は、国籍あり)
※ 法人の場合
役員全員の住民票
(本籍あり、マイナンバーなし、外国人は、国籍あり) |
定款
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※ 法人のみ
・定款とは、法人の根本規則のことです。
・法人設立時に作成しているので、そのコピーを提出します。 |
登記事項証明書
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※ 法人のみ
・登記所(法務局)で、入手できます。
・料金は、480円〜600円 |
※ 上記は、法令で最低限要求されるものですが、
それ以外にも、追加資料を求められることが多いです。
どんな資料かは、警察署により異なります。
たとえば、次のようなものです。
・保健所の飲食店営業許可証のコピー
・お店の賃貸借契約書のコピー
・用途地域が分かる書類
・お店周辺の略図
・ビルのフロアマップ
◆ 届出する場所 ◆
お店の場所を管轄する警察署に、届け出します
具体的にどの警察署なのかは、
『○○県 警察署 管轄』
などの用語で検索してみてください。
当事務所の近辺だと、次のようです。
お店の場所
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届出先
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神戸市の
中央区
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灘区
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東灘区
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兵庫区
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長田区
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垂水区
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須磨区
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西区
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北区
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西宮市
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尼崎市
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芦屋市
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宝塚市
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伊丹市
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明石市
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◆ 飲食店営業許可との比較 ◆
『深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届』は、
『飲食店営業許可』よりもハードルは高いです。
それは、出店禁止地域があったり、
より詳細な図面が必要だったりするからです。
両者を比較すると、次のようになります。
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飲食店営業許可
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深夜酒類提供飲食店営業開始届
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法律の根拠
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食品衛生法
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風営法
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目的
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食の安全
(ex.食中毒の防止)
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風紀の維持
(ex.犯罪・迷惑防止
未成年者の保護)
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提出先
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保健所
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警察署
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日数
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約2週間
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約10日
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審査基準
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普通
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厳しい
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◆ 手続の代行 ◆
バーや居酒屋など、お酒メインのお店で、
深夜(0時〜6時)も営業する場合は、
通常、次の2つの手続が必要になります。
(1)飲食店営業許可<保健所>
(2)深夜酒類提供飲食店営業開始届<警察署>
この手続きを、行政書士が代行します。
料金は、次の通りです。
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お店の場所
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報酬
(税別)
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実費
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飲食店
営業許可
(保健所)
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神戸市
西宮市
尼崎市
芦屋市
宝塚市
伊丹市
明石市
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20,000円
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保健所への納付金
16,000円
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深夜酒類提供飲食店営業開始届
(警察署)
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30,000円
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警察署への納付金
0円
(不要です)
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※ 『深夜酒類提供飲食店営業開始届』のみの
ご依頼も可能です。
◆ お見積(無料) ◆
自分のお店は、どの許可が必要なのか、
また、料金は総額でいくらなのか、良く分からず、
不安に感じられる方もいらっしゃると思います。
そこで、当事務所では、
まず、お見積をお出ししています(無料)。
そのうえで、正式に依頼するか
ご検討くださればと思います。
また、ご質問も、ご遠慮なくなさってください。
次はどのページをご覧になりますか?
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● 風俗営業許可
スナック・クラブなどで、
『接待』(ex.お客さんの隣でお酌を続ける)
する場合に、必要です。
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● 従業者名簿
居酒屋・バー・スナック・クラブなどは、
『従業者名簿』の作成義務があります。
用紙ダウンロード・記入例つき。
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