書類の説明
とても大切なことですが、
外務省のアポスティーユを付与できるのは、
公文書のみです。
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アポスティーユ
(外務省のお墨付き)
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公文書
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〇
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私文書
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×
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なので、まず、
公文書とは何かを知る必要があります。
◆ 公文書とは? ◆
『
公文書』の定義は、
ハーグ条約に書かれているのですが、
・行政文書
・認証文書
・裁判所関係文書
などのようです。
でも、これだと抽象的で良く分からないと思うので、
以下に、具体例をあげます。
公文書
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取得できる場所
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本籍地の市町村役場
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住所地の市町村役場
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法務局、または、
本籍地の市町村役場
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住所地の都道府県警本部など
または、
海外にある日本大使館・領事館
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届出をした役所
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本籍地の市町村役場
登記所(法務局)
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厚生労働省
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登記所(法務局)
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税務署
県・市税事務所
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国公立病院・赤十字病院
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公立高・中・小学校
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公証人認証書
(法務局長の公証人押印証明が必要)
※ 私文書は、これをつけることで、公文書扱いされます
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公証役場
(+法務局)
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◆ 戸籍謄本 ◆
戸籍謄本とは、生まれてから亡くなるまでの身分関係が
記載されている公文書です。
本籍地の市町村役場で取得できます。
料金は、
450円(最新の戸籍謄本)
750円(昔の戸籍謄本)
この戸籍謄本は、海外の手続で必要になることが多いです。
出生証明・婚姻証明・離婚証明を要求されたら、
これを取得するとよいです。
◆ 住民票 ◆
住民票は、日本での住所が記載されている
公文書です。
住所地の市町村役場で取得できます。
約200〜300円
◆ 婚姻要件具備証明書 ◆
婚姻要件具備証明書とは、日本の法令上、婚姻できる
ことを証明する公文書です。
海外で結婚手続する際、必要になります。
◆ 取得できる場所 ◆
法務局、または、
本籍地の市町村役場で取得できます。
通常は、どちらでも良いのですが、
手続先によっては、法務局を指定してくる場合があります。
なので、念のため確認した方が良いです。
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受付
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料金
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法務局
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日本全国
どこでも
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無料
※ ただし、戸籍謄本(450円)が必要
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市町村役場
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本籍地のみ
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200〜300円
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◆ 独身証明書との違い ◆
独身証明書と婚姻要件具備証明書は、
同じ意味で使われることもありますが、
正確には異なります。
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目的
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証明内容
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独身証明書
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結婚相談所へ提出
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独身のみ |
婚姻要件具備証明書
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国際結婚
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・独身
・婚姻年齢に達している
・再婚禁止期間経過
・近親婚に当たらない、など、
日本の婚姻法令全般に反しないこと |
独身証明書は、独身であること、のみ証明します。
(民法732条の重婚禁止に反しない証明のみ)
結婚相談所への提出目的などに利用されます。
これに対し、婚姻要件具備証明書は、
日本の婚姻に関する法令すべてに反しないことを証明します
独身だけでなく、
婚姻年齢(民法731条)、
再婚禁止期間の経過(民法733条)、
近親婚にあたらない(民法734条)、
なども含めて証明します。
国際結婚で、利用されます。
◆ 犯罪経歴証明書 ◆
犯罪経歴証明書とは、日本での犯罪歴を証明する
公文書です。
日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語で記載。
取得できる場所は、
日本国内なら、住所地の都道府県警本部など。
海外では、日本大使館・領事館。
交付までの日数は、
日本国内が、約2週間。
海外だと、約2〜3か月。
海外は、かなり時間がかかるので注意して下さい。
受付窓口
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交付までの日数
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日本国内
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住所地の都道府県警本部など
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約2週間
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海外
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日本大使館・領事館
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約2〜3か月
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料金は、無料が多いですが、
有料の所もあります。
(たとえば、京都府警は、400円)
申請時に、指紋を採取するので、本人の出頭が必須。
代理は不可です。
なお、受取りは、代理も可能です。
※ 封筒に封をした状態で渡されるので、
未開封のまま、外務省に提出して、
アポスティーユを取得します。
◆ 戸籍届出受理証明書 ◆
戸籍届出受理証明書とは、婚姻届・離婚届・出生届・死亡届などが、
役所に受理されたことを証明する公文書です。
戸籍の届出をしてから、実際に戸籍謄本に記載されるまで、
少し時間がかかる(約1〜2週間)のですが、
その間に、急ぎで証明が欲しい場合に
利用されます。
なので、特にお急ぎでなければ、こちらではなく、
戸籍謄本を、通常は取得します。
戸籍の届出をした市町村の役所で、取得できます。
(ex.神戸市で婚姻届けをしたら、神戸市内の役所)
料金は、約350円。
◆ 身分証明書・登記されていない証明書 ◆
身分証明書とは、禁治産・準禁治産・後見登記・破産
の通知を受けていないことを証明する公文書です。
本籍地の市町村役場が、発行します。
登記されていないことの証明書とは、
成年被後見人・被保佐人・被補助人などの登記
がされていないことを証明する公文書です。
登記所(法務局)が、発行します。
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窓口
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料金
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身分証明書
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市町村役場
※本籍地のみ
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約300〜600円
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登記されていないことの証明書
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登記所
※日本全国どこでも
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300円
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◆ 医師等免許証英訳文証明書 ◆
医師等免許証英訳文証明書とは、
医師・看護師などの免許証を英語で翻訳
した公文書のことです。
医師・看護師などの免許証(日本語)に、
アポスティーユを付与することは可能ですが、
大事な免許証に、印鑑や付箋をつけられては困る
という方が、大多数だと思います。
そこで、厚生労働省が、免許証を英訳したものを
証明書として発行してくれます。
料金は、無料です。
厚生労働省医政局医事課試験免許室免許登録係に、
直接行くか、郵送請求します。
医師等医療関係資格者の英文証明書申請手続(e-Gov)
◆ 登記事項証明書 ◆
登記事項証明書とは、不動産・法人などについて、
登記されている事項を証明する公文書のことです。
登記所(法務局)で、取得できます。
日本全国どこの登記所でもOK。
窓口だけでなく、郵送、オンライン請求も可。
料金は、480〜600円。
各種証明書請求手続(法務局のHP)
◆ 納税証明書 ◆
納税証明書とは、税金が正しく納められていることを証明する
公文書です。
国税(ex.所得税)は、税務署、
地方税(ex.市民税)は、県・市税事務所
で、取得できます。
種類
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証明書の窓口
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国税
(ex.所得税・法人税)
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税務署
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地方税
(ex.市民税・事業税)
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県・市税事務所
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料金は、
約200〜400円。
◆ 健康診断書 ◆
健康診断書は、ビザ申請などで必要になります。
少しわかりにくいのですが、大別すると2種類あります。
まず、アポスティーユを直接付与できるのは、
国公立病院と赤十字病院が作成した健康診断書
のみです。
それ以外の病院
(国立病院機構・国立大学法人付属病院・私立大学附属病院・私立病院など)
が作成した健康診断書は、
アポスティーユを直接付与できません。
公証役場で認証、
法務局で公証人押印証明を取得してから、
外務省でアポスティーユをつけてもらいます。
病院の種類
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手続き
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・国公立病院
(ex.東京都立広尾病院)
・赤十字病院
(ex.日本赤十字社医療センター) |
(1)外務省で、直接アポスティーユ付与できる
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上記以外すべて
・国立病院機構
(ex.東京病院)
・国立大学法人附属病院
(ex.東京大学医学部付属病院)
・私立大学附属病院
(ex.北里大学病院)
・私立病院
(ex.三井記念病院)
など
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(1)公証役場で、認証
(2)法務局で、公証人押印証明
(3)外務省で、アポスティーユ付与
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それと、健康診断書の注意点は、
・病院の公印(ex.東京都立広尾病院の印鑑)
・発行日(ex.令和元年8月1日)
・病院名(ex.東京都立広尾病院)
の3つの記載が必須であることです。
特に、お医者さんの個人印(ex.医師田中一郎の印鑑)のみで、
病院の公印がない場合が
よくあるので、気を付けてください。
◆ 卒業証明書・成績証明書 ◆
卒業証明書・成績証明書など教育機関の証明書は、
海外の大学へ入学する時などに必要になります。
これも少しわかりにくいのですが、大別すると2種類あります。
まず、アポスティーユを直接付与できるのは、
公立高・中・小学校の卒業証明書・成績証明書
のみです。
それ以外の学校
(国立大学法人・私立大学法人・国立高等専門学校機構・
私立高中小学校・私立専修学校など)
の卒業証明書・成績証明書は、
アポスティーユを直接付与できません。
公証役場で認証し、
法務局で公証人押印証明をもらい、
それから外務省でアポスティーユをつけてもらいます。
学校の種類
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手続き
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・公立高・中・小学校
(ex.東京都立国立高等学校)
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(1)外務省で、直接アポスティーユ付与できる
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上記以外すべて
・国立大学法人
(ex.東京大学)
・私立大学法人
(ex.北里大学)
・国立高等専門学校機構
(ex.国立東京工業高等専門学校)
・私立高・中・小学校
(ex.開成高等学校)
・私立専修学校
(ex.大原法律専門学校)
など
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(1)公証役場で、認証
(2)法務局で、公証人押印証明
(3)外務省で、アポスティーユ付与
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注意点としては、
学校に英文の卒業証明書等を発行してもらう場合、
学校長の署名(サイン)のみはダメで、
学校の公印(ex.学校の印鑑)が必要になります。
それと、念のため書いておきますが、
卒業証書(学位記)にもアポスティーユは付与できますが、
とても大切なものなので、そちらではなく、
卒業証明書を使用してください。
◆ 私文書 ◆
私文書に、アポスティーユを直接付与することはできません。
◆ 私文書の具体例 ◆
・会社の定款
・私立大学の卒業証明書・成績証明書
・民間団体の検定認定証
・商工会議所の原産地証明書
・私立病院の健康診断書
・公文書の外国語翻訳文
など。
◆ 公文書へ変換 ◆
しかし、海外の手続先で、私文書にも
アポスティーユをつけるよう言われることがあります。
その場合は、私文書を公文書に変換して、
それからアポスティーユを付与します。
方法は、色々あるのですが、
オーソドックスな方法は、次のようです。
手続き
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場所
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費用
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(1)私文書を外国語に翻訳
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翻訳者
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翻訳者により様々
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(2)外国文の認証 |
公証役場
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11,500円
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(3)公証人押印証明 |
法務局
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無料
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(4)アポスティーユ |
外務省
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無料
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